ライフワーク

【私の仕事とライフワーク 福島哲史】

Ⅰ 未来マーケティング [先見力]

 三十代になってから、私は自分のやっていることをできるだけリアルタイムで本に残してきました。
 デビュー本は、マーケティングの会での講演後に受けた依頼でまとめた「フューチャー・チャネリング-感性で読むマーケティング」、老舗の(中央経済社)からの出版です。ここで私はこれからの世の中、そして仕事と人との関係を中心に未来論を述べました。
 特に、音楽、芸能を軸とした完成による切り口は、理系中心の技術予測の多かった日本の企業社会にないものでした。それは、文科系の研究所を生み、私も船井総研からアミューズメント・エンターテイメント業界を中心に関わりました。

Ⅱ 仕事術 [ツール力](手帳、ポスト・イット、メモ術、ITネットワーク)

 音響・芸術の専門学校に加え、文化関係の研究所をいくつも嘱託していた私の仕事の方法を書くように頼まれて生まれたのが、「究極の手帳術」でした。
仕事をするための方法(”TF式情報処理術“)を手帳とポストイットというツールを使い、我流の知的生産の方法を公開しました(その後の手帳術ブーム、ポストイットの情報ツールとしての利用法を、早くも先取りしていました)。発想、創造のための仕事術として、ヒットとしたため、「仕事術」のアドバイザーの路線がひかれました。
 その後、上司、部下間や、組織での情報の扱い方を延べた「能率手帳で情報を10倍いかす法」ほか、私の知的生産術のシリーズとなりました。そして、自宅と会社と出先を情報網で結びつけるためにマッキントッシュを導入したのを機に、「マック(マッキントッシュ)の仕事術」シリーズを手がけました。

  創造性を発揮する、つまり、クリエイティブであるために、パーソナルとオフィシャルは区別できないという私の考えが思想化されるとともに、ツールとして、その両域にまたがる手帳と、マックを選んだわけです。
 大切なのは、パソコンの名の意味するパーソナルというところです。これらは、後に「ニフティ仕事術」「デジタル手帳仕事術」といったデジタルツールの一連の著作となります。

Ⅲ 表現術 [書く力、話す力]

 私は、表現として、話すことと書くことを自ら実践し、その大切さを述べてきました。企業出版のための「社長の本」(北宋社)、自分のための出版「自分の本を出すための本」(ウイーグル)、これらは、広告より広報へ、商業出版より自主出版へというメディアの流通再編プロセス改革を目的としたものでした。
  それらをまとめたのが、「ビジネスは『書く力』で決まる」(二期出版)[後に、「『書く力』が身につく本」(PHP研究所文庫)]で、2冊目のベストセラーとなりました。(最新のは、「『書く力』が仕事力を高める!」(KKロングセラーズ))
  この書く力に、よりパワフルに通信機能を加えたのが、タイプしネットワークする力で、研究所ではマックというIT技術の導入となり、「リエンジニアリング」、「マルチメディア」関係の仕事に結びついていきました。現、「日本地域社会研究所」プロデューサー。
 
Ⅳ 研究活動 [クリエイティブ力]

 クリエイティブな仕事環境との関わりを研究した「ライフワークの見つけ方」(日本能率協会マネージメントセンター)、「一芸は身をたすく」(ビジネス社)では、ビジネスマンやOLにも、アーティスティックな生き方“ビジネスアーティスト”を提案しました。幼い頃からピアノ(オルガン)に親しみ、絶対音感をもつ私の芸道のビジネスマンバージョンです。
  「朝型人間はクリエイティブ」(ビジネス社)は、自らが二十四時間をクリエイティブに使うための研究をまとめたものです。「仕事術の基本がわかる本」(大和出版)、「20代で勝負がつく88の鉄則」(PHP研究所)、「ビジネス闘争論」(二期出版)は、これからの人に、仕事を会社の仕事としてでなく、クリエイティブな生きがいと捉え、“自分の仕事”をやることを説いたものです。(後に「会社の使い方」(ダイヤモンド社))

Ⅴ 人の場、サロン [人脈力]

 私はサロン文化をクリエイティブな場として捉え、FS(フューチャーサロン)やCWP(クリエイティブライタープロデュース研究会)などを主宰しました。創造工学研究所・中山正和氏の“ちえの会”など、いくつかの大きな勉強会の幹事を兼ねていました。
  「流通サービス新聞」(日刊工業新聞社)の立ち上げから勉強会と主催者の記事を連載、「自分づくりの勉強会」(にっかん書房)にまとめました。「人脈づくりハンドブック 全国勉強会リスト」(PHP研究所)で、企業と異なる横のネットワーク型組織の研究をしました。共著者の下村澄氏(ニュービジネス協議会専務理事)の「知恵の輪」に関わりました。「講師250人ガイド」は、それらの人脈を中心にまとめたものです。NHKのラジオのホストとして、多くのキーマンを招き、対談しました。
 一芸ある人びとや数多くのオーナー、起業家、勉強会の主宰者は、まさにクリエイティブな人たちであり、ビジネスアーティストであるという考えです。現在も老舗の勉強会ほか、いくつかの勉強会、サロン運営、NPOに携わっています。現、「知的生産の技術の会」事務局長。

Ⅵ 海外渡航と芸能活動 [アート&ライブ]

 十代より、放浪ぐせのついていた私は、音大(芸大ほか)、海外のトレーナーに発声、歌唱を学んだあと、欧米中心に探訪し、訪れた国は40代前半で、50カ国を超えました。日本全国は、三巡しました。
  マルチメディアの自営放送局を目指したライブハウスのスタジオでの声のトレーニングは、一般向けから、プロ、専門家までの、学校兼研究所として30年を超えました。生涯を賭したライフワークとして、日本初の声の専門研究所を創設して続けています。声はツールであり、それを社会にどう使うのかを学ぶのに、科学的分析や生理的な研究もし、多面的に展開しつつ、学び方を伝えてきたのです。
 起業家、サロン主催者、アーティストなど、クリエイティブな人とのつながりは、芸能、マスコミも含め、私の活動を広汎で豊かなものにしています(歌手、役者、芸人、声優育成など)。千住さんの紹介で、日本デザイン会議、鴻上さんのプロデュースするワークショップに出講、その後、能、長唄、声明など、日本のアートへ深く関わっています。
  “とにかく皆、表現しようよ、Be Artist” と提言してきました。

Ⅶ 自立できる人間教育 [起業・ベンチャー・自立支援]

 マーケティングでは、マックから「ニフティサーブ、PDA仕事術」ニフティのIPとして、ニフティの勉強会フォーラムを主宰し、サロン活動、「マルチメディア活用ハンドブック」で次代の教育論を提唱、ビジネスマンには「あなたが始めるリエンジニアリング」(実業之日本社)から「会社の使い方」(ダイヤモンド社)まで、自立した仕事をすることを提唱しました。
 ベンチャーブームとあいまって、パソコンやインターネットの可能性をメインに、起業コンサルトを兼任しました。これは「20代からの起業家入門」(実務教育出版)、「起業家精神入門」、「同通信講座(JTEC)」などになりました。
  CSK、双葉電子工業、タカラ、日研フード、サンリオなど、多くのオーナーと直接、仕事を行ない、表現活動を続けるにいたっています。
  書く力は、文章術の本を執筆、スピーチ術は、講演をこなしつつ、(「心をギュッとつかむスピーチ術」)では、講師の先生方に学びました。 「感性の鋭くなる本」で感性の研究、「集中力がいい人生をつくる」で集中力についてまとめました。
  こうしてみると、IT化、グローバル化、スピリチュアル化など、次代の世の中に向けて、私が考え、行なってきたことは、そう外れてはいないと思われます。

Ⅷ 21世紀になって [能力開発]

 私の母体だった会社、学校、研究所は、後進の育成と、指導、研究の場になりつつあります。
 私はここまで述べた活動での収益を投じて、研究(文献、音源、音響設備、最新計測機器など)やレッスンの設備(スタジオ)を整えてきました。
 事務所を最初は一軒家(1階スタジオ、2階サロンと事務所)として、次に、マルチメディア(ライブハウス)スタジオ(地下1階と別棟2つ)をつくり、ほぼヴォイトレや収録スタジオとして運営しました。現在は、3階建のA~Gスタジオの一軒家(半地下-1階がサロンスペース)です。[すべて代々木駅2分]